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重大災害の発生事業場に改善計画作成を大臣が指示
~厚労省・安衛法改正案要綱を労政審に諮問~
厚生労働省は1月23日、重大災害が発生した事業場に対する再発防止のための改善措置の新たな仕組みを設けることなどを主な内容とした「労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱」を労働政策審議会(会長・樋口美雄慶応義塾大学商学部教授)に諮問した。
法案要綱の主な柱は、①外国登録製造時等検査機関等、②表示義務の対象物及び通知対象物について事業者の行うべき調査等、③心理的な負担の程度を把握するための検査等、④受動喫煙の防止、⑤事業場の安全または衛生に関する改善措置等、⑥計画の届出の廃止、⑦電動ファン付き呼吸用保護具--の7項目。
その内容は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるものが発生した場合で、再発防止のために必要があると認められるときは、厚生労働大臣が事業者に対し、当該事業場の安全または衛生に関する改善計画の作成・提出を指示することができるとしている。そして、指示を受けた事業者がその指示に従わなかった場合や事業者が作成した改善計画を守らず、重大災害の発生のおそれがあると認められる場合には、再発防止に関し必要な措置をとることを勧告できるとしている。さらに、勧告を受けた事業者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができるとしている。
次に、メンタルヘルス対策として、事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師または保健師による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行わなければならないとしている。そして、その検査結果は、検査を行った医師等から労働者に通知される仕組みとし、通知を受けた労働者で一定の要件に該当する者が申し出たときは、事業者は、その労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならないとしている。
このほか、事業者は、労働者の受動喫煙を防止するため、喫煙室を除き、喫煙を禁止することその他の厚生労働省令で定める措置を講ずるよう努めなければならないとしている。
なお、改正規定の施行期日は、事業場の安全または衛生に関する改善措置、受動喫煙の防止については、改正法の公布日から1年を超えない範囲内で政令で定める日、心理的な負担の程度を把握するための検査については、同じく1年6ヵ月を超えない範囲内で政令で定める日などとなっている。
同省では、同審議会から答申を得たうえで、改正法案を今通常国会に提出する方針。