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正社員への登用制度を優秀な人材とる手段に~厚労省がシンポジウム開催~

厚生労働省は1月20日、シンポジウム「非正規雇用労働者のキャリアアップを考える
~人事戦略としての正社員転換と人材育成~」を中小企業会館(東京・中央区)で開催した。
本シンポジウムは、多様な働き方を通じて、企業の活力アップにつなげていこうとする事例の紹介や、
多様な働き方に関する有識者の意見交換を行うもの。
まず、税理士・社会保険労務士の奥田正名氏より
「多様な正社員の効果的な導入、労働者の視点と企業の視座」をテーマに基調講演が行われた。
奥田氏は、非正規雇用の現状について、
①雇用が不安定で、不安を抱えながら仕事をしている
②教育訓練の機会が不十分なため、スキルアップができず、賃金が上がらない悪循環に陥っている
③労働者の声が届きにくい
などがあるとした上で、これらを企業が意識しないと人材不足には対応できず、いい人が集まらない。
非正規雇用への先入観をなくす意識が大切だと指摘した。
シンポジウムの後半では、「『人は城、人は石垣、人は堀』会社の人材、有効に活用できていますか?
人材発掘と人材育成」と題して、奥田氏と、株式会社働き方研究所代表取締役所長の平田未緒氏、
朝日新聞社東京本社編集委員の澤路毅彦氏、株式会社ダスキン人事労務室の米田妙子氏の3名による
パネルディスカッションが行われた(写真)。
その中で平田氏は、定着をしている企業には共通点があり、企業側と働く側がお互いに信頼感をもって、
同じベクトル向く風土づくりができている「相思相愛」であると述べた。
また、採用においては、外部採用と内部採用があり、外部採用はフルタイムを要件としている場合が多く、
フルタイム働けない人は応募しない。
一方で、内部採用では、環境が変わりフルタイムで働ける優秀な人も中にはおり、優秀な人材をとる手段となる。
自社の非正規雇用の方を正社員登用することで、登用する側は、面接一本勝負ではなく、
働きぶりを見て登用することができ、登用される側は、会社の仕事、正社員に求められる役割や責任が分かり、
お互いに「こんなはずじゃなかった」となりにくく、マッチングの確度は非常に高まる。
その際に、自社の正社員では働きたくないと登用を断るケースもあるため、雇用管理を魅力的なものにしていく必要があると、
自身の経験から指摘した。
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