労務管理-労働実務全般

ブラック役場化する職場~知られざる非正規公務員の実態~

カテゴリー ー 労務管理-労働実務全般
著者 三村 正夫 著
編者/編著者/編集
監修
発行 株式会社 企業通信社
発行日 2017-08-10
判型/頁数 四六判/192頁
価格 1,540円(税抜価格1,400円)
送料 【1部 330円税込】
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ISBN 978-4-86319-579-0
備考 発売 労働調査会
制作
現在庫: 在庫有り

要約

本書は、著者が実際に相談を受けた、ある地方自治体の役場で非正規公務員として勤務する女性職員のエピソードを下地に構成。法の谷間にある非正規公務員の実態と、今後トラブルが予想される非正規公務員の雇用環境をどのように改善できるかを解説している。「採用」ではなく「任用」という採用形式、雇止め関係の労働法保護規定が適用されない理由など、民間の非正規とは異なる、公務員という身分ゆえの特異な労働問題を明らかにする。

著者
昭和30年福井市生まれ。芝浦工業大学卒業後、昭和55年日本生命保険相互会社に入社し、販売関係の仕事に22年間従事した。その後、平成13年に石川県で独立し、開業15周年を迎える。就業規則の作成指導は開業時より積極的に実施しており、県内の有名大学・大企業から10人未満の会社まで幅広く手掛ける。信念は「人生は自分の思い描いたとおりになる」。特定社会保険労務士、行政書士など22種の資格を取得。主な著書に『サッと作れる零細企業の就業規則』、『サッと作れる小規模企業の賃金制度』、『サッと作れるアルバイト・パートの賃金・退職金制度』(以上、経営書院)などがある。

目次

・はじめに
1章 人手不足の時代であるが増え続ける非正規雇用
1.非正規雇用とはなにか?
2.自治体における非正規公務員の位置づけ
3.自治体の非正規公務員は労働基準法適用か、それとも地方公務員法適用か?
4.非正規と正規公務員とでは処遇がこれだけ違う
5.正規公務員の賃金水準は世間相場ではどの水準か?
6.自治体こそ知られざる優良企業なみの処遇

2章 自治体での非正規公務員の実態。非正規は使い捨てか?
1.雇用条件の内容
2.残業代は支払わない?
3.ボーナスや退職金はなし?
4.役場には売上目標がなく、仕事に情熱を感じている人は少ない?
5.3年か1年の期間雇用がほとんど
6.期間満了で更新しない時、事前に理由説明がないのはなぜ?

3章 不当な雇止め・未払い残業にどう戦うか?
1.自分で戦うか、一人ユニオンで戦うか、弁護士で戦うか
2.裁判か調停か労働審判か?
3.果たして役場に勝てるのか?
4.セクハラ・パワハラなどがあったときは、隠し録りで相手の言っていることを録音しておく
5.残業などは、こまめに勤務時間などを手帳などに記録しておく

4章 Aさんの雇止め・未払い残業が訴訟に至った流れ
1.採用から日常の仕事について
2.パワハラの始まり
3.役場への苦情の始まり
4.上司は誰か、役場の課長か、館長か?
5.度重なるサービス残業

5章 役場への訴訟の始まり
1.弁護士もピンからキリまである。数人の弁護士に相談する
2.最初は内容証明でお伺いをたてる
3.内容証明の中身
4.裁判となると裁判所で公表されるので、マスコミに知られる可能性がある
5.それを知った周りの人の態度で人がよく見えてくる
6.裁判になると失われるものと得るもの
7.他人を信用して口外しない
8.内容証明の回答書が届く

6章 裁判の過程とその実録
1.1回目の訴状の内容
2.裁判はとにかく証拠が決め手
3.誰も証人にはなってくれないものと思え
4.どの切口で裁判を起こすか?
5.月一回が裁判の頻度(2回目以降は淡々と進む)
6.隠し録りの会話の録音も証拠たりえる
7.残業代の請求はどうなっていくか
8.残業代の請求は手帳などに日々の勤務時間がメモされていれば証拠となる

7章 裁判の結末
1.裁判所は必ず和解を持ちかける
2.裁判所の和解内容が裁判の判決にちかいと思えばよい
3.裁判官によっても裁判の結果は大きく変わる。
4.役場は労働契約法がそのまま適用できないという壁
5.勝訴しても相手側の弁護士費用までは、相手にかなり過失がないと請求できない
6.弁護士費用はいくらほどかかったか?
7.勝っても負けてもこの裁判に悔いはなし
8.負けたとき控訴するのか?

8章 やはり役場?自治体?はブラック化している?
1.賞与・退職金などの処遇はどうなのか?
2.不倫・縁故採用・不当解雇などあるのか?
3.一番のブラック職場は、身近な役場ではないか
4.非正規公務員に対する行政の動き

9章 非正規公務員だからと言って泣き寝入りしてはいけない
1.非正規という名の都合のいい雇用(名ばかり公務員ではないか?)
2.泣き寝入りしてはいけない
3.役場は労働基準法の動きに約5年遅れている
4.職員は議員に弱い、議員が動けば変わる
5.全国の非正規公務員が目覚めれば、役場も変わるキッカケになる
6.この役場の問題は役場以外の役所でもある話ではないか?
・おわりに
・巻末資料

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