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65歳雇用義務化に「再雇用選定基準が必要」95.7%
~日本生産性本部調べ~
公益財団法人日本生産性本部(松川昌義理事長)は、「第13回日本的雇用・人事の変容に関する調査」の結果をまとめた。調査は、全上場企業2142社を対象に2012年10月から11月にかけて実施している(回収率7.2%)。第13回調査の主な調査項目は、①定昇など賃金制度の動向、②正社員の解雇規制緩和、③60歳以降の雇用確保、④採用の動向、⑤グローバル化への対応状況――など。
調査結果の中から、60歳以降の雇用確保に関する部分についてみると、雇用確保の対応策は、「再雇用制度で対応」90.9%、「定年年齢の引上げ」7.1%――などとなっている。再雇用時に勤務形態(フルタイムかどうか等)はなく、仕事内容や業務、役割に応じて給与水準を複数設定している企業が60.7%、また、「設定していないが、今後は設定する予定」とする企業が17.1%となっている。
65歳までの再雇用に関しては、現時点で、「本人が希望すれば65歳以上まで再雇用が可能」26.4%、「必ずしも希望通りにはいかない(毎年、雇用契約見直しなどあり)」65.0%――などとなっており、現時点で再雇用対象者選定の基準として、退職前の業績評価など人事考課を「反映している」企業が74.3%となっている。
また、希望者全員の65歳までの雇用を義務化する改正高年法(2013年4月施行)で、企業が労使協定で対象者を選別することを禁止している点に関して、今後も業績評価など人事考課で再雇用の対象者を絞るなど心身の健康状態以外での選別要件の設定が必要かどうかについては、「特に必要とは思わない」3.6%、「必要だと思う」48.6%、「本当は必要だと思うが、法の趣旨から考えると選別基準を設定するのは望ましくない」47.1%――となっており、大多数(95.7%)の企業が必要性を感じている。
改正高年法の施行に伴い、賃金・処遇制度でどのような対応を考えているか(2つまでの複数回答)をみると、「再雇用者の賃金水準を引き下げる」(28.6%)、「若年層も含めた全ての社員を対象に賃金水準や退職金・企業年金の見直しをする」(27.9%)、「転職支援や早期退職制度を導入活用して、人材の流動化を進める」(27.1%)などとなっている。