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勤労意欲を引き出す人材マネジメントが企業の成長に~厚労省・「平成26年版労働経済白書」を公表

厚生労働省は9月12日、「平成26年版労働経済の分析」(26年版労働経済白書)を公表した。今年の白書は、「人材力の最大発揮に向けて」をテーマに、企業における人材マネジメントや労働者の職業生涯を通じたキャリア形成について分析している。

白書は、企業を成長させる人材マネジメントについて、「労働者の勤労意欲が高まることは、労働者の定着率に直接関係するとともに、人材の定着は、仕事を通じた経験によって人的資本が高まることを意味し、企業の生産性や収益性にも良い影響を与える」と指摘。そのうえで、勤労意欲が高いと考える企業では、定着率が高くなるとともに、企業の生産性や売上高経常利益率が高い傾向にあるとし、このような企業では、雇用形態にかかわらず、広範な雇用管理に積極的に取り組んでいると分析している。

また、我が国の職業キャリア形成について、男性では初職から離職せずに就業し続ける割合が高いが、女性では男性に比べその割合は低く、一方、転職経験2回以上の者は、おおむね年収500万円未満の層と年収1500万円以上の層で割合が高く、高所得者層では、積極的に転職を行っている層がみられると指摘している。

そして、こうした分析を踏まえ、多様な労働者に積極的な雇用管理を行い、勤労意欲を引き出す人材マネジメントが、企業を成長させるとともに、我が国の経済成長を高めていく。また、持続的な職業キャリアを通じた人的資本の蓄積によって職業能力を高めることが、職業生活を安定させると指摘している。