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面接指導の結果を理由とした解雇、退職勧奨等は禁止~ストレスチェック制度に関する検討会が報告書~

来年12月1日から施行されるストレスチェック制度の実施方法、ストレスチェック制度に関わる労働者に対する不利益取扱いの防止などについて検討していた厚生労働省の検討会は12月17日、報告書を取りまとめた。
 今年の通常国会で成立した改正労働安全衛生法により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設された。これを受けて厚生労働省は、今年10月、「ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」と「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会」(いずれも座長・相澤好治北里大学名誉教授)を設け、具体的な制度の運用方法などについて検討を行ってきた。
 報告書は、①ストレスチェックの実施方法及び情報管理等、②面接指導の実施方法及び情報管理等、③派遣労働者の取扱い、④労働者に対する不利益取扱いの防止ーーなどについて示している。
 その主な内容は、まず、ストレスチェックの実施に関しては、1年以内ごとに1回以上実施し、調査票による実施を基本とするとしている。チェック項目は、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」の3領域全てを含むものとし、標準項目は、旧労働省委託研究により開発された「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」とするとしている。また、実施後の対応として、ストレスチェックを職場環境の改善につなげるため、集団的な分析の実施と分析結果に基づく職場環境の改善を事業者の努力義務とするとしている。
 次に、労働者に対する不利益取扱いの防止に関しては、(1)ストレスチェックを受けないことを理由とした不利益取扱い、(2)ストレスチェック結果の提供に同意しないことを理由とした不利益取扱い、(3)高ストレスと評価された労働者が面接指導の申出を行わないことを理由とした不利益取扱い、(4)面接指導の結果を理由とした解雇、雇用契約の不更新、退職勧奨、不当な配転・職位変更等ーーなどは禁止されるべきとしている。
 報告を受けた同省は、この報告書を基に厚生労働省令や指針の策定準備を進めることとしている。