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一定の実務経験あるSEやデザイナーなども特例の対象に~有期特措法の関係省令など諮問・答申される~

厚生労働省は2月9日、今年4月から施行される「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期特措法)の施行に必要な関係省令案要綱などを労働政策審議会(会長・樋口美雄慶応義塾大学商学部教授)に諮問した。諮問を受けた同審議会は、これを同審議会労働条件分科会有期雇用特別部会・職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会(部会長・岩村正彦東京大学大学院法学政治学研究科教授)で検討した結果、諮問案を「妥当と考える」とする答申をとりまとめ、同日、塩崎厚労相に答申した。
 有期特措法は、高度な専門的知識などを持つ有期雇用労働者(高度専門職)と、定年後引き続き雇用される有期雇用労働者について、事業主が雇用管理に関する特別の措置を行う場合に、労働契約法の無期転換ルール(有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、労働者の申込みにより無期契約に転換させる仕組み)に特例を設けるもの。
 特例の内容は、高度専門職にあっては一定期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)、継続雇用の高齢者にあっては定年後に引き続き雇用されている期間、それぞれ無期転換申込権が発生しないこととなる。そして、特例の対象となる高度専門職の具体的範囲やその年収要件については、厚生労働省令などで定めることとされている。
 諮問・答申された省令案によると、特例の対象となる高度専門職の年収要件は1075万円(以上)となっている。また、対象者を定める基準案要綱では、(1)博士の学位を有する者、(2)公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士、(3)ITストラテジスト、アクチュアリーの資格試験に合格している者、(4)特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者、(5)大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を有する農林水産業・鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、システムエンジニアまたはデザイナー、(6)システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタント、(7)国等によって知識等が優れたものであると認定され、上記(1)から(6)までに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者ーーを列挙している。
 このほか、特例の適用(厚生労働大臣の認定)に際し、事業主が対象労働者に対して講じる雇用管理に関する措置の指針案要綱では、高度専門職関係に関しては、①教育訓練に係る休暇の付与、②教育訓練に係る時間の確保のための措置、③教育訓練に係る費用の助成、④業務の遂行の過程外における教育訓練の実施、⑤職業能力検定を受ける機会の確保、⑥情報の提供、相談の機会の確保等の援助ーーのいずれかの措置を行うとしている。
 また、継続雇用の高齢者に関しては、高年齢者雇用確保措置を講じた上で、①高年齢者雇用安定法第11条の規定による高年齢者雇用推進者の選任、②職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等、③作業施設・方法の改善、④健康管理、安全衛生の配慮、⑤職域の拡大、⑥知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進、⑦賃金体系の見直し、⑧勤務時間制度の弾力化ーーのいずれかの措置を行うとしている。
 答申を受けた厚生労働省では、速やかに省令などの制定を進めることとしており、平成27年4月1日の法施行に向けて、事業主への周知に取り組むこととしている。