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労働あ・ら・かると

今月のテーマ(2014年02月)女性社員の妊娠・出産・育児については本人と企業のみに委せず、国が抜本的に取り組むことが不可欠

平成26年1月に、労働調査会から『均等法と育児・介護休業法で会社は変わる!~女性社員を活かす労務管理~』という図書を刊行した。労務トラブル解決法Q&Aシリーズの6冊目である。

その本の冒頭に以下のように述べている。

はじめに―女性社員の能力発揮のための8ポイント―
女性社員の能力発揮、ワーク・ライフ・バランスのために、企業はどのような条件整備を図ることが求められているのでしょうか。

企業が女性社員により一層能力を発揮してもらうためには、図表1の8つの条件整備(社内体制づくり)をすることが必要です。

図表1 女性社員に能力を発揮してもらう社内体制づくり8つのポイント
①会社の女性社員活用の方針を決定する
 企業のトップが女性社員の能力発揮体制づくりの方針を、明確に打ち出す。
②職務設計・教育訓練体系・処遇体系を整備する
 現在と将来の職務・処遇・昇進・教育訓練のコース・基準を明確にする。
③男女役職員を機会均等に取り扱う 
④役員、管理職、男女社員の意識を変える
⑤女性社員教育を体系的、効果的に進める
⑥コース別雇用管理制度を設ける場合は、適切に運用する
⑦女性社員が仕事と家庭責任とを両立できるように育児・介護休業その他の育児・家事支援制度を整備する
⑧女性社員の雇用・勤務形態を多様化するとともに、再雇用制度を設ける

上述のこと自体はまちがっていないであろう。

ただし、大事なことが抜けている。それは、日本の国家、社会が果たすべき役割について述べていないことではなかろうか!?

次世代の国民を産み、育てる女性がいないと最も困るのは、日本の国家、社会ではないか

いまの日本には、標題のことが抜けているのではないかという思いが強い。現在、国が講じている少子化対策程度では効果がないのは目に見えている。現在も、日々“老人国家”となってきている。

例えば、妊娠、出産、育児を行っている女性社員を雇用継続している企業については、その人数に応じて法人税、あるいは、労働保険料を最大半減させるなど抜本的な施策が必要ではないかと思っている。

なにはともあれ、本書をご一読いただき、ご批評いただければ幸いである。

【著述業・労務コンサルタント・会社員 布施直春】