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社会全体での人材の最適配置・最大活用を

~厚労省の雇用政策研究会が報告書まとめる~

厚生労働省の雇用政策研究会(座長・樋口美雄慶應義塾大学商学部教授)が報告書をまとめた。同研究会(25年度)は昨年9月から、日本の成長を支えるために、雇用政策に何が求められ、何をすべきかという観点から、今後5年程度の間に重点的に実施すべき雇用政策の方向性につて検討を行った。

報告書は、雇用政策の将来ビジョンとして、「仕事を通じた一人ひとりの成長と、社会全体の成長の好循環」を掲げ、ビジョン実現に向け、①社会全体での人材の最適配置・最大活用、②人口減少に対する危機意識をもって「全員参加の社会」を実現--の2つを軸として取り組むとしている。

そのうえで、今後の施策の方向性として、「労働市場インフラ」の戦略的強化、「全員参加の社会」の実現、良質な雇用機会の創出、企業の強みにつながる雇用管理の実現--をあげている。

その中で、「企業業績の向上のためには、質の高い人材の量的確保だけでなく、個々の労働者の意欲を高めることが必要」とし、公正で納得できる処遇、キャリア形成に配慮した人事配置など、労働者の主体性、内発性を引き出す雇用管理が必要と指摘している。また、労働者の個別の苦情・紛争に対しては、企業内の苦情・紛争処理の仕組みを整備し、企業外の紛争処理の制度についても周知を図ることが必要であり、あわせて、労働者が自らの権利を理解するため労働法等の教育が必要としている。