2024年10月10日 東京都
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本格化する同一労働同一賃金の行政指導と労働施策の展望(東京)

講師 安西 愈 弁護士

(安西法律事務所)

 

 本年6月21日に発表された政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の「2024年改訂版」によれば、非正規労働者の処遇向上のためには「同一労働同一賃金」の徹底した施行が不可欠で、この面においても労基署が施行の徹底を図っていくとし、昨年11月より法施行を強化して指導をしていく方向を明白にした。
 そして、同時に人手不足の中で、高年齢者の就労継続の拡大がどうしても求められる状況になっており、新しいキャリア形成への対応など今後の高年齢者雇用対策が企業の人事労務の課題となっている。
 今回の人事労務セミナーにおいては、これらについて労働施策の最新の動向と企業の行政指導への対応等について検討する。

【講師紹介】
1938年香川県生まれ。高松商業高等学校卒業。1958年香川労基局入局。1962年中央大学法学部通信教育課程卒業。1964年労働省労働基準局監督課へ転任。1969年労働省退官、最高裁判所司法研修所に入る。1971年弁護士登録、安西法律事務所を開設。1985年第一東京弁護士会副会長。1987年中央大学法学部非常勤講師。1998年日本弁護士連合会常務理事。1999年日本弁護士連合会研修委員長。2004年中央大学法科大学院客員教授。
この他、最高裁司法研修所教官、労働省(現在厚労省)科学顧問、東京基督教大学非常勤講師、東京地方最低賃金審議会会長、第一東京弁護士会労働法制委員長、東京三弁護士会労働訴訟等協議会議長など歴任。人事・労務問題の専門家として活躍中。
著書に、『労働災害と企業の刑事責任』『多様な派遣形態とみなし雇用の法律実務』(労働調査会)など多数。

セミナー概要

講座名 本格化する同一労働同一賃金の行政指導と労働施策の展望(東京)
日時 2024年10月10日  13:30~17:00
会場 東京/KFC Hall Annex
講師 弁護士 安西 愈 氏
(安西法律事務所)
講座内容 第1.労基署活用による同一労働同一賃金の行政指導の拡大
1.「新しい資本主義実行計画」(令和5年版)の「労基署には権限がない」
  から本年度の「実行計画」は「労基署が施行の徹底を図る」への変更
  — 監督署が前面に出ての行政指導か —
2.現在の行政指導方法は、諸手当中心のチェックリストによる相違の作成を
  求めて労基署経由の行政指導
  — 通勤手当・精皆勤手当・慶弔休暇など —
3.今後は「基本給・賞与」についても監督署から「点検要請」の集中的実施へ
  — 基本給・賞与への検討拡大 —
4.「基本給・賞与の差の説明不十分」な企業へは監督署による対面での要請と
  2ヵ月以内の結果報告の実施へ
  — 企業の早急な行政指導への対応の必要性 —
5.同一賃金問題への「指導・助言」の権限のない監督署の直接対面指導は違法
  ではないか
  — 昨年11月より法施行の強化 —

第2.行政指導による同一労働同一賃金への企業の対応
 — 有期・パート等との待遇差異がある場合の説明義務と判例による各賃金の
  現在の合理性の到達点 —
1.同一労働同一賃金の行政指導の根拠は法第18条
  — 指導対象は事業場から本社・本店へ —
2.労基局作成「チェックリスト」での差異がある場合の改善指導
  — 説明義務、説明内容の合理性がポイント —
3.本来は差異がある場合の説明義務は従業員からの求めがあった場合
  — 従業員への説明は法第14条2項による —
4.基本給・賞与・諸手当の相違についての説明は
  — 判例による現在の到達点は —
 (1)基本給についての説明は
 (2)賞与についての説明は
 (3)退職金についての説明は
 (4)家族手当についての説明は
 (5)住宅手当についての説明は
 (6)職務・業務等との関連手当(職務手当、能率手当、営業手当等)に
   ついての説明は
 (7)就労環境・就業条件等との関連手当(危険手当、作業手当)に
   ついての説明は
 (8)就労時期の特別手当(夏季・年末)等の関連手当についての説明は
 (9)勤務・業務の奨励関連手当(精皆勤手当、奨励手当)についての説明は
 (10)勤務内容・責任・人材育成に関連しない手当(物価手当、地域手当、
   食事手当、単身赴任手当等)についての説明は
 (11)通勤手当についての説明は
 (12)私傷病に対する有給の病気休暇、休職期間の日数・賃金支給の
   相違についての説明は
 (13)慶弔休暇・法定外の休暇等の相違についての説明は
 (14)待遇(労働条件)か否かをめぐっての問題は
 (15)派遣社員についての賃金と賃金以外の待遇・福利厚生に
   ついての説明は
5.企業としての行政是正指導内容への対応は
  — 支援センター利用も検討のこと —
6.是正をめぐっての判例と行政指導の場合の差異
  — 判例の場合は原告への不法行為の損害賠償のみ、行政指導は企業の就業
   規則等による対象者全員への是正 —

第3.高年齢者雇用の拡大と同一労働同一賃金の問題
  — 就業継続高年齢者の増加と待遇差の取扱をめぐって —
1.人手不足への高年齢者の雇用延長の拡大と法的な問題
  — 定年後再雇用の福利的雇用から戦力的活用へ —
2.定年後再雇用の高年法上の行政的取扱いと民事的契約法上の取扱い
  — 更新継続をめぐるトラブル防止へ —
3.高年齢者の継続雇用による無期転換の問題
  — 他社定年の高年齢者に対する第2定年の必要性 —
4.定年後再雇用上の労働条件の引き下げと同一労働同一賃金の問題
  — 賃金引き下げ、諸手当カット等の説明をめぐって —
  (1)基本給の引き下げについての説明
  (2)賞与不支給についての説明
  (3)諸手当のカットについての説明
  (4)福利厚生の待遇引き下げについての説明
5.高年齢社員の就労上の配慮の特性を加味した仕事と賃金の制度化へ
  — 新キャリア形成の意識と行動への体制確立を —

第4.同一労働同一賃金の限定正社員、無期フルタイマー社員への
 適用拡大への政策

 — 政府の労働施策の「三位一体労働市場改革」、「多様な正社員制度」、
  「ジョブ型雇用」への動向 —
受講料 一般のお客様:23,100円(税抜価格 21,000円)
「労働基準広報/先見労務管理/労働安全衛生広報」ご購読者様:17,600円(税抜価格 16,000円)
「建設労務安全」ご購読者様およびビジネススクール会員様:19,800円(税抜価格 18,000円)


※受講料は、消費税(10%)を含みます。
※ビジネススクール会員様の受講料の割引価格は、個人会員様は受講者1名様のみ、法人会員様は受講者3名様までの適用とさせていただきます。
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